English
佐藤清隆編著
Memory and Narrative Series

Memory and Narrative Series Two


Memory and Narrative Series 
完結!


1: Life Story of Mrs Elvy Morton:
    First Chair of the Leicester Caribbean Carnival
2: Life Story of Mrs Claire Wintram:
    A Jewish Woman and Her Identity
3: Mrs Jasvir Kaur Chohan:
    Life Story of A Sikh Woman and Her Identity

4:  Mr Sarup Singh, MBE and Mrs Gurmit Kaur :
    Life Stories of A Sikh Artist and His Wife
5: Life Story of Mr Jaffer Kapasi, OBE:
    Muslim Businessman in Leicester, and the Ugandan Expulsion in 1972

6:  Life Story of Mr Terry Harrison, MBE:

    His Identity as a Person of Mixed Heritage

7: The Life Story of Mr Andrejs Ozolins, a Latvian,
    and His Wife Mrs Dulcie Ozolins
8: The Life Story of Mr Ramanbhai Barber, MBE, DL
    The President of the Shree Sanatan Mandir in Leicester
9: The Life Story of Mrs Nilima Devi, MBE:
    An Indian Classical Dancer in Leicester
10: The Life Story of Dr Dorothy Francis, MBE: 
    
An African-Caribbean Business Woman in Leicester
11: The Life Stories o Nessan and Maureen Danaher:  
    A Second-Generation Irish Couple Living in Leicester
12: The Life Stories of Peter and Margatet Adamson: .
    An Anglican English Couple Living in Leicester
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編著者の佐藤清隆先生が、イギリスの多民族都市レスターで、20年続けてきたインタビューの成果をこの「メモリー・アンド・ナラティヴ・シリーズ」として刊行しました。全12巻です。発行は明治大学の「多宗教・多文化の歴史研究所」Research Centre for the History of Religious and Cultural Diversity( Meiji University, Tokyo)、弊社から発売しています。
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この「メモリー・アンド・ナラティヴ・シリーズ」は、ひとりの日本人(佐藤清隆先生)がイギリスの多民族都市レスターに何度も通い、そこに居住する数多くの人々(移民だけでなく、受け入れ社会の人々も)から話を聞き、その話を元に彼ら個人のライフ・ストーリーの語りを国際語(英語)で出版するという、世界でもこれまでに例のないユニークなプロジェクトです。

【内容紹介】
Memory and Narrative Series

bP
Life Story of Mrs Elvy Morton:
First Chair of the Leicester Caribbean Carnival


1935年にカリブ海の小さな島、ネヴィスに生まれ、1958年、看護婦
になるために渡英してきたアフリカン・カリビアン女性のライフ・ストーリー。


2010年10月31日発行
(ISBN 978-4-88708-901-3 C3322,B5並製,96頁,定価2000円+税)






narrative1
イギリス社会で人種差別にあいながらも、たくましく生きる黒人女性の姿が生き生きと描かれている。また、彼女が委員長として深くかかわっていったレスター・カリビアン・カーニヴァル開始の理由や経緯が、奴隷制廃止150周年や1981年の人種暴動などとの絡みで率直に語られている。彼女は、この暴動後、学校などで、ブラックの子供たちに起こっていた人種差別の状況に気がつき、自分たちのブラック文化や歴史を彼ら子供たちに教える必要性を痛感し、その試みの一つとしてレスター・カリビアン・カーニヴァルを開催していくのである。
[写真・図版他]アフリカン・カーニヴァル・センターの写真、カーニヴァルの冊子の表紙、カリブ料理のメニュー、カリビアン・カーニヴァルのスナップ写真や地図、1981年のレスターにおける暴動に関する地元紙掲載の記事、モートンさん家族の写真、セント・キッツ・アンド・ネヴィスやレスターの地図、参考文献一覧などを収録

bQ
Life Story of Mrs Claire Wintram:
A Jewish Woman and Her Identity


1949年にロンドンのイースト・エンドに生まれ、自分のユダヤ人アイデンティティの拠り所をユダヤ教よりも、ユダヤの文化におくリベラルなユダヤ人女性のライフ・ストーリー

2010年11月25日発行
(ISBN 978-4-88708-902-0 C3322,B5並製,78頁,定価2000円+税)





narrative2
第二次世界大戦中、ホロコーストを体験した父親の「外ではユダヤ人であることを決して語るな」という言葉に悩みながら、自分の人生を生きる姿が生き生きと語られている。また、このライフ・ストーリーは、移民のファミリー・ヒストリー、ホロコーストの長期的な影響(それを体験していない子供たちの生き方をも左右していく)、ユダヤ人コミュニティ内のイスラエルやパレスチナに関する考え方の相違などについても考えさせられるところ大である。
[写真・図版他]地元紙掲載のウィントラムさんの記事、ウィントラムさん家族の写真、レスターのシナゴークやホロコースト・メモリアル・デイの写真、参考文献一覧などを収録

bR
Mrs Jasvir Kaur Chohan:
Life Story of A Sikh Woman and Her Identity


1954年にインドのパンジャーブ地方に生まれ、1962年に8歳で渡英してきたシク女性のライフ・ストーリー

2011年3月26日発行
(ISBN 978-4-88708-903-7 C3322,B5並製,185頁,定価4600円+税)






narrative3
渡英する前のインドのパンジャーブ地方での経験、イギリスの第一印象、学校や職場での経験、彼女の拡大家族、取り決めによる結婚(アレンジト・マリッジ)、夫との関係、子供の教育、シク教、カースト、シク寺院とシクの祭り、1984年の「ゴールデン・テンプル」のシク教徒への影響、彼女自身のイギリス文化とパンジャーブ地方の文化との格闘の様子やその変化などが、さまざまなレヴェルから率直に語られている。
[写真・図版他]彼女のかかわったふたつのシク寺院、グル・ナーナクの生誕祭やバイサキの祭りのパレードの写真、彼女の息子の「結納」の写真、彼女に関連した地元紙の記事、シク・ワードの用語解説集、パンジャーブ地方やレスターの地図、参考文献一覧などを収録

bS
Mr Sarup Singh, MBE and Mrs Gurmit Kaur :
Life Stories of A Sikh Artist and His Wife


1959年(20歳頃)、画家を目指してインドのパンジャーブ地方からイギリスにきた男性シク教徒と、その妻のライフ・ストーリー

2012年2月29日発行
(ISBN 978-4-88708-904-4 C3322,B5並製,179頁,定価4000円+税)





narrative4
シング氏は、「受け入れ社会」の冷たい風に遭いながらも、長いあいだ工場で働き「日曜画家」として数多くの絵画を描いてきた。また、レスターのグル・ナーナク・グルドワーラー(シク寺院)にヨーロッパ最初のシク・ミュージアムを創設するのに大きく貢献。彼はこれらのコミュニティへの貢献が高く評価され、2011年3月に女王からMBEの称号を受けた。そのライフ・ストーリーには、家族のために頑張ってきた苦労と、何としても画家として生きたいという思いが率直に語られている。
妻コールさんは結婚(「取り決めによる結婚」)のために、1965年(18歳)、レスターに来たシク女性。彼女の語りにあるのは結婚前と結婚後との暮らしの大きなギャップである。異なる価値世界のイギリス社会の中でも、故郷パンジャーブ地方の伝統的価値(「取り決めによる結婚」や夫婦関係など)を肯定的に受け入れ、継承してきたことから来る「しんどさ」と、それにもかかわらず、夫や子供を助け、伝統を成し遂げてきたという自負の念が、彼女の記憶を支えている。
付録には、シク・ミュージアムの写真、シング氏が描いた数多くの絵画、家族のスナップ写真、地元紙からの抜粋、地図などを掲載。


Life Story of Mr Jaffer Kapasi, OBE:
Muslim Businessman in Leicester, and the Ugandan Expulsion in 1972


1972年に東アフリカのウガンダからイディ・アミンによって海外に出ることを余儀なくされ、渡英しレスターに居住するようになったインド系ムスリム・ビジネスマンのライフ・ストーリー。

2012年10月20日発行
(ISBN978-4-88708-905-1 C3322 B5並製,192頁,定価4600
円+税)



narrative5
ジャファ・カパシは、ビジネスを生業とするムスリム・シーア派のダウディ・ボーラ・コミュニティのメンバーで、父親はインドのグジャラート地方出身である。1950年にウガンダの小さな村に生まれるが、1972年(22歳)のとき、イディ・アミンのアジア系移民の海外追放政策により、渡英しレスターに居住するようになる。この年には、ウガンダからイギリスに27,000人以上(そのうちレスターには約6,000人)の南アジア系移民が渡ってきたと言われるが、彼もそのひとりである。彼によって、どのようなライフ・ストーリーが語られたのであろうか。レスターの全人口は28万人であるが、そのうち3万人以上がムスリムで、モスクも40軒を超えている。スンニ派がメインであるが、シーア派の宗派も複数存在し、このボーラ・コミュニティもその一つである。
 [写真・図版他] カパシとその家族、ビジネス・政治、海外追放の20年後に戻ったウガンダのマシンディ、ボーラ・コミュニティのモスクなどの写真、1972年以降の地元紙の関連記事、2001年の国勢調査のデータ、アフリカ・ウガンダ・インド・グジャラート地方・レスターなどの地図、参考文献一覧などを収録。


Life Story of Mr Terry Harrison, MBE: 
His Identity as a Person of Mixed Heritage


第二次世界大戦中にアメリカ合衆国からやってきたブラック兵とホワイト女性とのあいだに生をうけたテリー・ハリソンのライフ・ストーリー。

2013年6月20日発行
(ISBN978-4-88708-906-8 C3322 B5並製,161頁,定価:3500円+税)





narrative6
第二次世界大戦中、一時ながら、ノルマンディー上陸作戦の軍事訓練のために、おびただしい数の米兵が渡英したが、そのなかにブラック兵も含まれていた。テリー・ハリソンは、1944年、そうしたブラック米兵とホワイト女性とのあいだに生をうけた人物である。彼は、双子の姉とともにレスターからそれほど遠くない小さな村の「ホワイト社会」で成長していく。そして、15歳で学校を離れ、工場、英国海軍、英国警察、レスター市役所で働き、彼のキャリアーを積み重ねていった。そのなかで興味深いのは、彼が1989年にレスターで開催されたスペシャル・オリンピックの責任者として活躍したことである。このように、彼のキャリアーからは、彼の人生はサクセス・ストーリーのように見えるが、その反面、異なる「肌の色」ゆえに、長いことレイシズムを経験することになったのである。また、彼は退職後、自分が生まれる前に亡くなった実の父の死因について調べ始める。彼のナラティヴは何を語っているのであろうか。
[写真・図版他] テリーとその家族、生まれ故郷の小学校・教会・パブ、1989年のスペシャル・オリンピック、実の父のお墓などの写真、地元紙掲載の関連記事(第二次世界大戦中にイギリスに来た米兵、レスターで開催された1989年と2009年のスペシャル・オリンピック、ハイフィールド・レンジャーズ・フットボール・クラブ、ダイヤモンド・ジュビリーの際の女王のレスター訪問[2012年3月8日])、レスタシャー、レスター、ウェールズなどの地図、参考文献一覧などを収録。



The Life Story of Mr Andrejs Ozolins, a Latvian,
and His Wife Mrs Dulcie Ozolins


1935年にバルト三国のラトヴィアに生まれ、第ニ次世界大戦期にはソヴィエトやナチの占領を経験し、その後、ドイツ西部の難民キャンプなどで過ごし、1948年に渡英してきたホワイト系移民男性とその妻のライフ・ストーリー。

2014年6月1日発行
(ISBN 978-4-88708-907-5 C3322 B5並製, 236頁, 定価5000円+税)




narrative7
アンドレジス・オズリンズは、1935年にラトヴィアのリガに生まれ、第二次世界大戦中はソヴィエトやナチの占領を経験し、その後、ドイツ西部の難民キャンプなどで過ごし、父の渡英1年後の1948年に家族とともに渡英する。最初はイングランド北部のノーサンバーランドで農業に従事し、その後、さまざまな苦労を重ねながらも、勉学をつづけ、1970年にはレスターにあるドゥ・モンフォール大学(当時はポリテクニーク、後に大学に昇格)に数学の教師として赴任する。1958年には、イングリッシュの女性と結婚し、二人の女の子を授かる。妻のドゥルシーは、1936年、イングランド西部のコッツウォ―ルド・ヒルズにパン屋の子として生まれ、大学へは進まず教師の道を目指す。その後、教師となり、レスターで1970年以降、多民族化しつつあった小学校で非常勤講師として働く。その一方、オズリンズ夫妻は2人の娘と共に、長いあいだ在英のラトヴィア系コミュニティと深く関わり、そのメンバーたちと共に歩んでいる。彼ら2人の語りは、いったい私たちに何を問いかけているのであろうか。
[写真・図版他]
写真(アンドレジズの生まれ故郷、彼の両親や兄弟姉妹、ドイツ西部の難民キャンプ、彼の学校・教師時代、結婚式、彼の家族、在英ラトヴィア系コミュニティの施設やイヴェント、ドゥルシーの勤めていた小学校など)、地元紙掲載の在英ラトヴィア系移民の関連記事、地図(第二次世界大戦期および現代のヨーロッパ、グロスターシャ、レスタシャ、レスター)、参考文献一覧などを収録。


                          【書  評】
『史学雑誌』5月号 「2014年の歴史学界―回顧と展望」

語りの史料編纂では,レスターで多民族的なライフ・ストーリーの聞き取りを行っている佐藤清隆の一連の地道な研究も評価されるべきだ(The Life Story of Mr Andrejs Ozolins, a Latvian, and His Wife Mrs Dulcie Ozolins, Memory and Narrative Series 7 など)。

No.8
The Life Story of Mr Ramanbhai Barber, MBE, DL
The President of the Shree Sanatan Mandir in Leicester


1945年に英領インドのグジャラート地方に生まれ、8歳でケニアへ渡り、その後19歳で渡英してきたヒンドゥー教徒。レスターにあるヒンドゥー寺院のプレジデントのライフ・ストーリー

2015年6月16日発行
(ISBN 978-4-88708-908-2 C3322 B5並製, 234頁, 定価5000円+税)



narrative8
ラマンバイ・バーバーは、現在、1970年代初頭にオープンしたヒンドゥー寺院「シュリー・サナタン・マンディール」のプレジデント。第二次世界大戦終結の年(1945年)に英領インドのグジャラート地方に生を受け、1952年8歳でケニアへ渡り、その後ケニアの「アフリカ化」の動きのなかで1964年に渡英してきている。そして、それ以来50年以上にもわたって、「ゴールデン・マイル」と呼ばれるインド人街のベルグレイヴ地区を中心にヒンドゥー・コミュニティの形成と発展のために多大な貢献をしてきている。このように、彼のライフ・ストーリーは、一方では英領インド、東アフリカ、イギリスを中心とした大きな歴史のうねりと密接に連動し、他方では、イングランドの一地方都市レスターが「ホワイト中心の都市」から「多民族・多宗教都市」へと大きく変貌を遂げていく歴史とも深く関連しているのである。
【写真・図版他】ラマンバイとその家族、ケニアのトマソン・フォール、レスター、旅行・巡礼、大英帝国勲章の一つ(MBE)の授与式、ラマンバイがプレジデントを務めるヒンドゥー寺院やそこでのさまざまな行事や運営委員会メンバー、ベルグレィヴ地区、ディワーリー祭、ホリー祭、インド独立記念日のイヴェントの写真、ラマンバイの亡き娘ヴァニーシャ関連の追悼文や写真、地元紙『レスター・マーキュリー』掲載の関連記事、レスターのエスニシティや宗教関連の情報、地図(グジャラート地方、ケニア、レスター)、参考文献一覧などを収録。

No.9
The Life Story of Mrs Nilima Devi, MBE:
An Indian Classical Dancer in Leicester


1953年、インドのグジャラート地方に生まれ、1980年渡英。以来レスターで30年以上インド舞踊の舞踊家兼教師としてその普及に務めてきた女性のライフ・ストーリー

2016年7月27日発行 
(ISBN978-4-88708-909-9 C3322 B5並製,202頁, 定価4800円+税)




narrative9
レスターは、インド系インドゥー移民の多い都市として知られ、そこではナブラトリやディワリーをはじめ、数多くのヒンドゥーの祭りが開催されている。それらに欠かせないのが歌や踊りであるが、インド系ディアスポラの世界において、それらの普及に務め、これらの盛大な祭りの開催を可能とする基礎を築いてきたインド舞踊家のひとりがこのニリーマ・デイヴィである。
 本書には、彼女の夫でドイツ人であるワーナー・メンスキ―のライフ・ストーリー、彼女の教え子二人の思い出、多文化主義政策の下、レスター市当局によるインド舞踊の著書編纂事業にかかわった二人の元レスター市職員の思い出、インド舞踊のさまざまなイヴェントのポスターやリーフレットなども収録されており、それらが彼女のライフ・ストーリーの理解をさらに深められるよう編集されている。「多声」的で、きわめてユニークな作品に仕上がっている。


No.10
The Life Story of Dr Dorothy Francis, MBE:
An African-Caribbean Business Woman in Leicester


1961年にカリブ海の島、ジャマイカに生まれ、5歳で渡英してきたアフリカン・カリビアン女性のライフ・ストーリー。創刊号の主人公、エルヴィー・モートンにつづく第二弾。

2019年6月30日発行

ISBN 978-4-88708-911-2 C3322 B5並製,296頁, 定価6000円+税




narrative 10
1966年に5歳で渡英し、幼い頃から人種差別などに遭遇しながらも、たくましく生きてきたアフリカン・カリビアン女性のライフ・ストーリーが生き生きと語られている。ジャマイカや両親のこと、渡英後の「マザー・カントリー」の印象、学校やヒースロー空港での人種差別の経験、子供の教育、宗教、料理、好きな作家たち、ビジネスやコミュニティ活動が評価されて得た数々の賞、EU離脱(ブレグジット)に対する彼女の意見など、さまざまなテーマについて臆することなく率直に語ってくれている。
[写真・図版他]
ドロシーや家族、結婚式、ジャマイカで集合した拡大家族、レスター・カリビアン・カーニヴァルの日の夜にドロシー宅で開催されたカーニヴァル・パーティ(編者撮影)、彼女の功績を讃えて授与されたビジネスやコミュニティ活動に関する数々の賞のイヴェント、ロッチデール(先駆者協同組合運動発祥の地)への旅などに関する数多くの写真、「ウインドラッシュ・スキャンダル」の新聞記事(地元紙『レスター・マーキュリー』からの抜粋)、コヴェントリとレスターのエスニシティと宗教に関する統計資料(国勢調査)、ジャマイカ、コヴェントリ、レスターの地図、参考文献一覧、ドロシーからのメッセージなどを収録。さらに短いながら、ブリティッシュ・ホワイトの夫ケビンも自らのライフ・ストーリーを寄稿してくれている。


No.11
The Life Stories of Nessan and Maureen Danaher: 
A Second-Generation Irish Couple Living in Leicester


もに1949年にイングランドで生まれ、レスターを中心に長く教員生活を送ったアイルランド系移民2世夫妻のライフ・ストーリー

2020年3月27日発行
(ISBN 978-4-88708-912-9 C3322 B5並製, 292頁, 定価 6,000円+税)





narrative11
夫のネッサン・ダナハーは、当時、アイルランド人居住区として知られていたロンドンのウエスト・ハムステッドやキルバーン地区に生まれ育ち、レスター大学へ進学。1973年にレスターのコミュニティ・カレッジで教師の職を得て以来、38年もの長い教員生活を送った。1987年から2006年までは教頭の職にあった。彼は、イギリスが、そしてレスターが、「ホワイト中心の社会」から非ホワイトを含む「多民族・多宗教社会」へと変容していくなかで導入された多文化主義教育を「現場」で担ったアイルランド系教師のひとりである。妻のモーリンは、ランカシャに生まれ、バーミンガムで育った。ロンドンの教員養成学校で学び、バーミンガム、ノッティンガム、レスターなどのカトリック系の小学校で長く教鞭をとったのである。
 彼らの語りでは、生い立ちから家族の歴史、アイルランド系移民コミュニティやカトリック教会と彼らとの深い結びつき、そしてイギリスによるアイルランド支配やそれに対する抵抗の歴史の記憶と彼らの日常生活との関連、さらには教師としての経験、子育ての記憶に至るまでが語られている。
[写真・図版他]彼らの生い立ちや家族の歴史、ネッサンの博士号取得、アイルランドへの旅、息子二人の結婚式、アイルランドの別荘、ロンドンやレスターのローマ・カトリック教会、エメラルド・センター、アイルランド系図書館のオープニング・セレモニー、聖パトリックの祝日やその他のイヴェントの写真などを豊富に収録。これらに加え、ネッサンによる母親の聞き取りの記録、レスターのアイルランド系移民に関する新聞記事の抜粋、エスニシティや宗教に関する国勢調査(2001年と2011年など)、地図、参考文献一覧も有用。


No.12

The Life Stories of Peter and Margatet Adamson:
An Anglican English Couple Living in Leicester


ともに第二次世界大戦以前にレスターで生を受け、人生のほとんどをこの都市で過ごし、みずからを「イングリッシュ」で「労働者階級」と見なす夫婦のライフ・ストーリー

2020年3月30日発行
(ISBN 978-4-88708-913-6 C3322 B5並製, 180頁, 定価 4,000円+税)





narrative12
ピーター・アダムソンは、1927年にレスターに生まれ、一時リンカーンで過ごしたが、1944年にふたたびレスターに戻る。第二次世界大戦中には、家がドイツ軍の空爆を受け、破壊されるという経験もした。大戦後は、当時、イギリスの委任統治領であったパレスチナで働いた後、帰国して製図工となった。ピーターとのインタビューは、一度きりであったが、病苦を押して臨んでくれた。残念なことに、彼はこのブックレット12の刊行の前年2019年に92歳で亡くなった。
妻のマーガレットは1935年にレスターに生まれ、小学校も、グラマー・スクールも、職場も、そして1955年にピーターと結婚した後の住居もレスターであった。彼女は15歳から働き始め、80年以上の人生をレスターで過ごしてきた。根っからの「レスターっ子」である。彼女とのインタビューは11回にもおよんでいるが、その間、実に興味深い話を幾つも聞かせてくれた。それらのトピックは、世界大戦時の経験、女王の即位(1953年)、仕事、スポーツ、音楽、趣味、衣・食、宗教、階級、そして息子たちの教育、息子の義理の娘(日本人女性)、ミュージアムのイヴェント、多民族都市レスター、リチャード3世の遺骨の発見、2016年におけるプレミア・リーグでのレスター・シティの優勝、イギリスのEU離脱(インタビュー当時、まだ離脱の決定はされていなかった)、あるいは脳卒中とその病からの回復、彼女のナショナル・アイデンティテイ、夫の逝去にまで及んでいる。
[写真・図版他] 彼らの生い立ちや家族の歴史、息子ジョンの結婚式、彼らの結婚60周年パーティ、ピーターの通信簿、あるミユージアムでのイヴェント、ピーターの葬儀、エスニシティや宗教に関する国勢調査(2001年と2011年など)、地図、参考文献一覧などを多数収録。


 全12巻で完結

Memory and Narrative Series Two


No.Two-1: The Life Story of Mr Ram Krishan (Prashar)
        A Hindu in Coventry from Punjab,India

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Memory and Narrative Seriesに加え、Memory and Narrative Series Twoを刊行しました。このシリーズ Two刊行の目的は、既刊のシリーズとほぼ同じですが、その対象や編集方針はかなり変えていく予定です。従来のシリーズは、レスター在住もしくはレスターと深く関わってきた方のライフ・ストーリーでしたが、新シリーズはレスター以外の国内外の方が中心となるか、たとえレスターの方であっても、これまでとはかなり異なる編集にする予定です。
今までと同様に、この新シリーズも是非よろしくお願いいたします。

【内容紹介】

Memory and Narrative Series Two
No.Two-1:
The Life Story of Mr Ram Krishan (Prashar):
A Hindu in Coventry from Punjab,India


1958年、24歳でインドのパンジャーブ地方から渡英、長くコヴェントリー(レスター近くの地方都市)に暮らすヒンドゥー教徒のライフ・ストーリー

2016年12月28日発行
(ISBN978-4-88708-910-5 C3322 B5並製,144頁, 定価3500円+税)



narrative2-1
本書の語り手ラム・クリシャンは、1931年にカルカッタで生まれ、パンジャーブ地方で育ったヒンドゥー教徒。第二次世界大戦や1947年の英領インドからのインドとパキスタンの分離独立・大移動も経験している。1954年に渡英、一時期を除き、長くレスターからさほど遠くない地方都市コヴェントリーで暮らしてきた。その間、コヴェントリーにおけるインド系コミュニティ、とりわけパンジャービー・ヒンドゥー・コミュニティの宗教・文化活動や多宗教協議会などにも関わってきている。また、妻エリナ・ネズビットは元イギリス国教会の牧師の娘で、現在クエーカー教徒である。彼女のライフ・ストーリーも収録。
[写真・図版他] ラムと家族、インド人文化・福祉協会、ヒンドゥー寺院、多宗教協議会などの写真、パンジャーブ地方の地図、参考文献一覧などを収録。

         

発行: 明治大学 「多宗教・多文化の歴史研究所」
     Research Centre for the History of Religious and Cultural Diversity( Meiji University, Tokyo)
発売: (株)刀水書房


* これらの書籍は書店には置いてありません。
  購入ご希望の方は書店、または刀水書房にご注文下さい。

Memory and Narrative Series


Compiled and edited by Kiyotaka Sato

This series of biographical studies is a project directed by Kiyotaka Sato, Professor of European History in the School of Arts and Letters at Meiji University in Tokyo. The purpose of the project is to enable members of Britain’s many ethnic minority communities to record and preserve their memories and life experiences, as well as to reflect on their ethnic traditions. The series was created with the intention that future generations would have access to this rich body of information.

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bP: Life Story of Mrs Elvy Morton: First Chair of the Leicester Caribbean Carnival
  The recollections of Elvy Morton, who was born on the island of Nevis in the Caribbean in 1935,
  and who moved to Britain to train as a nurse in 1958.
     ISBN 978-4-88708-901-3 C3322 \2,000E

bQ: Life Story of Mrs Claire Wintram: A Jewish Woman and Her Identity
  Claire Wintram was born in 1949 in the East End of London. Her narrative explains the importance
  which secular Jewish culture has for her.
     ISBN 978-4-88708-902-0 C3322 \2000E

bR: Mrs Jasvir Kaur Chohan:Life Story of A Sikh Woman and Her Identity
  The life story of Jasvir Kaur Chohan, who was born in Punjab region of India in 1954, and came to Britain
  in 1962 at the age of eight.
     ISBN 978-4-88708-903-7 C3322 \4,600E

bS: Mr Sarup Singh, MBE and Mrs Gurmit Kaur:Life Stories of A Sikh Artist and His Wife
   Sarup Singh is an artist who migrated from Britain from Punjab region of India in order to study art in 1959.
   The narrative also includes the biography of his wife, Gurmit Kaur.
     ISBN 978-4-88708-904-4 C3322 \4,000E

5: Life Story of Mr Jaffer Kapasi, OBE:Muslim Businessman in Leicester, and the Ugandan
    Expulsion in 1972
  Jaffer Kapasi is an Indian Muslim businessman who was born in Uganda, but who arrived in Leicester
  following the implementation of Idi Amin’s expulsion policy of 1972.
     ISBN978-4-88708-905-1 C3322 \4,600E

6: Life Story of Mr Terry Harrison, MBE:His Identity as a Person of Mixed Heritage
  Terry Harrison was born during the Second World War, the son of a Welsh mother and a Black American
  GI father who died before his birth. In the book, he recounts his experiences as a child of mixed heritage
  growing up near Leicester, and his quest to uncover the fate of his father.
     ISBN978-4-88708-906-8 C3322 \3,500E

7: The Life Story of Mr Andrejs Ozolins, a Latvian, and His Wife Mrs Dulcie Ozolins
   Andrejs Ozolins was born in 1935 in Latvia, one of the three Baltic states occupied by both Soviet Russia
   and Nazi Germany during the Second World War. His narrative recalls his early life in Latvia, childhood
   experiences of living in refugee camp in western Germany, his relocation to Britain in 1948, and
   his marriage to his British wife, Dulcie.
     ISBN 978-4-88708-907-5 C3322 \5,000E

No.8:The Life Story of Mr Ramanbhai Barber, MBE, DL:
    The President of the Shree Sanatan Mandir in Leicester.

   This is the life story of Ramanbhai Barber. He was born in British India in 1945, moved to Kenya in 1952
   and then migrated to Britain in 1964. Since then he has lived in Leicester for over fifty years.
     ISBN 978-4-88708-908-2 C3322 \5000E

No.9: The Life Story of Mrs Nilima Devi, MBE:
    An Indian Classical Dancer in Leicester

   This is the life story of Nilima Devi: she was born in 1953 in Gujarat State, India. In 1980 she migrated
   to England and settled permanently in Leicester. Since then in her role both as a dancer and animateur,
   she has contributed greatly over the past thirty years to the development of Indian classical dance
   in Britain and throughout the wider Indian diaspora.
     ISBN978-4-88708-909-9 C3322 \4,800E

No.10 The Life Story of Dr Dorothy Francis, MBE:
     An African-Caribbean Business Woman in Leicester

     
This is the life story of Dr Dorothy Francis. She was born in Jamaica in 1961. In 1966 she migrated
     to England and lived in Coventry, but by the mid-1980s moved to Leicester to work. She is currently
     Chief Executive Officer of the Leicester-based Co-operative and Social Enterprise Development
     Agency (CASE). Dorothy gives a frank account of her life story, which spans from her childhood to
     the present day, speaking of her experiences, and her feelings about these experiences. The narrative
     also includes a short biography of her British White husband Kevin.
     ISBN978‐4‐88708‐911‐2 C3322 \6,000E

No. 11: The Life Stories of Nessan and Maureen Danaher:
     A Second-Generation Irish

      Couple Living in Leicester
      Life stories of a second generation Irish immigrant couple living in Leicester, England, both of whom were
      born in England in 1949, and both worked as school teachers in and around Leicester all their lives.
      ISBN 978-4-88708-912-9 C3322 ¥6,000E

No. 12: The Life Stories of Peter and Margaret Adamson:
     An Anglican English Couple Living in Leicester

      Life stories of a couple, who were both born before the Second World War in Leicester, and spent almost
      all of their lives in this city. They call themselves ‘English’, and ‘ working class’.
      ISBN 978-4-88708-913-6 C3322 ¥4,000E
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The “Memory and Narrative Series” is published by the Tosui Shobo, Tokyo, Japan.
Memory and Narrative Series Two
The publication of a second Memory and Narrative Series has now begun. Series two has a similar purpose to the series one: to enable the UK’s many and various ethnic minority communities and indigenous groups to record and preserve their memories, life experiences and traditions, and to ensure access to this rich inheritance for present and future generations. However, it features a different group of people, and the method of editing differs markedly from series one. Series one presented the life stories of people living in, or closely linked with, the city of Leicester. The new series mainly features people who live outside of Leicester (some of them overseas), although it also includes some biographies by a number of individuals from Leicester itself. Meanwhile, the first series is now nearing completion, and number nine has recently been issued. I owe many thanks to all those who have supported me during the publication of series one, and I hope they will find series two enjoyable and informative.

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No.1: The Life Story of Mr Ram Krishan (Prashar): A Hindu in Coventry from Punjab,India
   This is the Life Story of a Hindu man who arrived in Britain from the Punjab Region of India at the age
   of twenty three years old in 1954. He has lived in the city of Coventry for many years. As well as discussing
   his experiences in Britain, Mr Krishan recalls the Second World War, which took place when he was still in India,
   as well as Indian Independence and the partitioning of India and Pakistan in 1947.
     ISBN978-4-88708-910-5 C3322 \3500E
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